魔の「つなぎ目」を攻略せよ!献立パターンの箱作りと料理選抜のコツ(サイクルメニュー連載 第3回/全5回)

献立作成

前回(ステップ2)で最強の「料理リスト」が準備できたら、次はいよいよ**4週間の「箱(パターン)」**を埋めていくパズル作業に入ります。 このステップこそが、サイクルメニュー作成において最も頭を使い、かつ失敗しやすい難所です。単に28日分を埋めるだけでは不十分。サイクルが「回る」ことを意識した、プロの組み立て方を解説します。


1. まずは「献立の箱(パターン)」を固定する

いきなり料理名を入れ始めるのは挫折の元です。まずは、各分類の必要個数を確定させるための「箱」を決めます。

【例:4週サイクルの基本パターン】

  • 朝: ごはん、味噌汁(週2回パン+スープ)、温小鉢、冷小鉢、牛乳
  • 昼: ごはん、大皿(主菜)、汁物、冷小鉢、デザート
  • 夕: ごはん、大皿(主菜)、温小鉢、冷小鉢

このように固定すると、1サイクル(28日分)で必要な個数が明確になります。(例:大皿は計56個、味噌汁は朝20回、朝スープ8回など)

さらに、その詳細のバランスを決めます。

  • 肉料理(計24個): 焼き6、煮6、炒め6、揚げ4、蒸し2
  • 魚料理(計24個): 焼き8、煮8、揚げ4、蒸し4
  • 卵・大豆製品: 週1回 × 4週 = 4個
  • 温小鉢(計56回): 焼き8、煮20、炒め16、揚げ8、蒸し4
  • 冷小鉢(計84回): 和え物28、サラダ28、酢の物12、マヨサラダ8、その他8
  • 汁物(計28回): 味噌ベース8(朝スープの日)、すまし8、スープ8

2. 箱に「分類名」だけをバランスよく配置する

各分類の必要個数が決まったら、いきなり料理名を入れず、まずはエクセル上の箱に「分類名(属性)」だけを配置していきます。

献立パズル:分類配置のイメージ(横スクロール・2枚並べ対応)

提供区分1日目(月)2日目(火)3日目(水)4日目(木)
朝食・味噌汁
・煮物小鉢
・和え物
・スープ
・炒め物
・和え物
・味噌汁
・焼き物
・浸し
・スープ
・蒸し物
・サラダ
昼食魚:煮物
・すまし
・酢の物
肉:炒め物
・スープ
・和え物
魚:揚げ物
・味噌汁
・和え物
肉:焼き物
・すまし
・マヨ和え
夕食肉:揚げ物
・蒸し物
・サラダ
魚:焼き物
・煮物
・浸し
肉:煮物
・炒め物
・サラダ
魚:蒸し物
・煮物
・和え物

このように28日分すべてを「分類名」で埋めます。この形式で作成しておけば、4週目の右隣に1週目を並べたとき、「夕食の行」や「朝食の行」を横にスライドして見るだけで、つなぎ目の重複チェックが劇的に楽になります。

管理者
管理者

「属性」だけの段階で、大まかな不具合を必ずつぶすようにしてください。ここをおろそかにして料理名を入れてしまうと、後で修正が必要になったときに大惨事が起こります。


3. 料理を選抜し「1枚目」を完成させる

属性の配置が終わったら、前回の「料理リスト」からメニューを当てはめていきます。

  • 「1軍献立」から選ぶ: サイクルメニューは繰り返すものです。なるべく嗜好調査で人気の高かった「無難でおいしいメニュー」を優先して配置します。
  • 季節感・行事食は「空けておく」: 冷し中華や銀だらみりん等、季節感が強すぎる料理はまだ入れないこと。これらは後から「差し替える」のが運用を楽にするコツです。
  • 他地域の郷土料理は残しておく: イベント料理に活用できるため、通常サイクルには入れずにストックしておきます。

4. 【重要】最大の難関「つなぎ目」のチェック

ここからが本番です。28日分の献立が埋まって「よし、完成!」と叫びたくなりますが、ここで踏みとどまってください。サイクルメニューは**「4週目の翌日に、また1週目の月曜日が来る」**という連続体です。

プロの執念:エクセルを2枚並べる

エクセルで作成した献立表を横に2枚コピーして、「第4週」の隣に「第1週」が来るように並べてみてください。

  • 「同じ料理」が続いていないか? 第4週の日曜日の夕食が「焼き魚」で、第1週の月曜日の朝食が「焼き魚」になっていないか?
  • 「味付け」が被っていないか? 日曜日の夕食が「魚の味噌煮」で、月曜日の昼食が「魚の味噌漬け焼き」になっていないか?
  • 「食材」が連続していないか? 日曜日の夕食が長いも、月曜日の朝も長いもと連続していないか?
管理者
管理者

単体で見ると完璧な28日間でも、この**「つなぎ目」**で同じ料理が続くと、患者さんは「またこれか」と敏感に察知します。納得いくまで、1週目と4週目を入れ替えながら調整を繰り返します。


5. 調理現場の「動線」を想像する

パズルを解く際、忘れてはいけないのが厨房スタッフの動きです。

  • 調理器具の重複: 回転釜が2つしかないのに、主菜と副菜の両方で回転釜を使う献立になっていないか。
  • 作業工程の集中: すべての料理が「包丁での切りもの」が多いものばかりだと、仕込みがパンクします。
  • 揚げ物の頻度: フライヤーのキャパシティと、その後の清掃時間を考慮した配置になっているか。

調理負荷が分散されているかを確認しながら、料理を微調整していきます。


さいごに

サイクルメニューのパズルは、一度で正解が出ることはありません。 「入れては消し、消しては入れる」の繰り返しです。しかし、このステップで徹底的に「つなぎ目」と「調理負荷」を練り上げることで、運用開始後のクレームやトラブルはゼロに近づきます。

次回(連載第4回)は、運用を劇的に楽にする**「行事食の差し替えルール」と「旬の資産化」**についてお伝えします!

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