みなさんこんにちは。
献立作成をしているとレシピが思いつかず苦労するときありますよね。そんな時役に立つのが、インターネットレシピサイトだと思います。
でも、大量調理に使うには多くの注意点が存在します。
レシピをそのまま転用してもまずうまくいきません。
今回は、そんなインターネットレシピサイトのレシピを献立作成に役立てる方法を説明していきたいと思います。
皆様の参考になればと思います。それではいきましょう。
レシピサイトの病院食への活用方法
レシピサイトを病院食として活用するための重要なポイントは下記のとおりです。
- 本当においしいのか確認する
- 塩分量を確認してみる
- 病院食で使えそうな塩分量に合わせる
- 作り方を工夫する
どんなレシピサイトがある?
世界では下記のサイトが人気があります。
- cookpad.com : 日本
- allrecipes.com : アメリカ
- russianfood.com : ロシア
- kurashiru.com : 日本
- giallozafferano.it : イタリア
本当においしいのか確認する
当たり前ですが、家で作ってみておいしくなければ、病院食として作ってもおいしくありません。
ただし、突飛なレシピでなければ、塩分量さえ合わせれば特に問題なく使用できると思います。
塩分量を確認してみる
それでは、塩分の確認方法を説明していきます。
まず、レシピサイトの場合、gではなく、容量で記載されていることがありますので、容量をgに変換する方法を説明します。
調味料の容量当たりの重量と塩分は?
大さじ | 小さじ | 大さじ1当たりの塩分 | |
食塩 | 18g | 6g | 18g(100%) |
薄口醤油 | 18g | 6g | 2.9g(16%) |
濃口醤油 | 18g | 6g | 2.6g(14%) |
みそ | 18g | 6g | 2.2g(12%) |
甘みそ | 18g | 18g | 1.1g(6%) |
みりん | 18g | 6g | 0g |
ウスターソース | 18g | 6g | 1.5g(8%) |
料理酒 | 15g | 5g | 0.3g(2%) |
ワイン | 15g | 5g | 0g |
酢 | 15g | 5g | 0g |
砂糖 | 9g | 3g | 0g |
グラニュー糖 | 12g | 4g | 0g |
小麦粉・片栗粉 | 9g | 3g | 0g |
油 | 12g | 4g | 0g |
バター・マーガリン | 12g | 4g | 0.1g |
いりごま | 9g | 3g | 0g |
ケチャップ | 15g | 5g | 0.5g(3%) |
マヨネーズ | 12g | 4g | 0.2g(2%) |
マスタード | 15g | 5g | 0.6g |
おろしにんにく・しょうが | 10cm=5g | 0g |
塩分は塩を筆頭に醤油、みそ、ソースに多く含まれています。また、ケチャップ、マヨネーズは思ったよりも塩分は少ないです。
とりあえずは、醤油、みそ、ソース、ケチャップ、マヨネーズの塩分量を覚えておくと簡易的な塩分計算ができるので便利ですよ。
試しに塩分計算をしてみましょう
★豚肩ロースの角煮(5人前)
- 豚肩ロースブロック 1kg
- しょうが 30g
- 根深葱 2本
- 砂糖40g
- みりん100cc
- 料理酒100cc
- 水 300cc
- 醤油 60cc
では上記のレシピの塩分量を計算してみましょう。
まずは全ての食材をg換算していきます。
みりん100cc=120g、料理酒100cc=100g、濃口醤油60cc=72g
次におおよその塩分量を確認します。
みりん120g≒塩分0g、料理酒100g=塩分2g、濃口醤油72g=10g
主材料に対する塩分濃度を見てみます。
豚肩ロース1000gに対し、塩分12gで、塩分濃度は1.2%です。
病院食で使えそうな塩分量に合わせる
目標塩分濃度を0.8~1.0%とすれば、少し濃いので20%ほど調味料を減らしてみましょう。
塩分濃度の目安については下記リンクをご覧ください。
塩分濃度を1%程度に抑えると、砂糖33g、みりん100g、料理酒80g、醤油60gくらいになります。
実は料理酒には塩分が含まれるので、料理酒を日本酒に変えると、元のレシピのまま使用できますね。
塩分は合いました。
じゃあ5人前のレシピだから、1/5の分量で献立を登録したらよいですね!
5人前のレシピであっても、病院食としては量が多いので、お肉の量は60~100g程度に調整することになります。施設ごとに料理ごとの目安量が決まっていると思いますので確認してみてください。下記記事も参考にしていただければと思います。
先ほどの献立を病院食の一人前に換算してみます。
豚肩ロースを80gとすると、生姜2.5g、根深葱15g、砂糖3g、みりん10g、日本酒8g、醤油6g
あとは付け合わせを考えれば、病院食でも使える献立になりました。
作り方を工夫する
レシピサイトのレシピで塩分量を計算してみるとたいていの場合、塩分濃度は1%を超えます。
理由としては、1.味が濃い、2.少量調理、3.キリがいい分量である などが挙げられます。
いずれにしても、塩分濃度1%で作ると煮物などは薄いと感じることがありますので、以下のような工夫が必要です。
水、だしを少なめにし、煮詰める
少量調理と大量調理では水分の蒸発割合が大きく異なります。少量調理と同じ割合で水を入れると本来の煮詰め時間では煮詰め切らず、食材が崩れたり、固くなる原因となります。目安をお示しするのは難しいですが、大きく少なめにすることをお勧めします。もし少ない場合は追加できますが、多すぎる場合には後が大変です。
また、煮汁が残りすぎると、食材自体の味付けが薄くなりますので、可能な限り煮詰めるようにします。
塩分の多い調味料は仕上げに入れる
煮物をする場合、合わせ調味料を作ることが多いと思いますが、可能であれば醤油やみそなど塩味の強い調味料は煮詰め時間残り1/3位のタイミングで入れるとよいでしょう。
表面に塩分がつくことで、少ない調味料でも濃く感じることができます。
ケチャップやマヨネーズを利用する
以外に塩分が少ないのが、ケチャップとマヨネーズ。何か物足りないときに煮物にケチャップを加えると醤油よりも少ない塩分量で味がまとまることがあります。また、ケチャップをベースに味付けをするときには塩分濃度は1%未満でも濃く感じることがありますので、少し低めに設定してもよいでしょう。
マヨネーズも同様に塩分濃度は低めに設定しても十分な味付けになります。
マヨネーズ、ケチャップともに日本製と海外製がありますが、海外製の方が塩分濃度が薄いので減塩にはさらにお勧めです。
さいごに
結局味の濃さを決定する要因のほとんどは塩分です。
塩分濃度計算をして、適正な塩分濃度の範囲に収めて、できる限り濃く感じる調理法を取り入れれば、様々なレシピを病院や施設でも提供することができます。
食事を通して、食べてくれる方に少しでも喜んで頂けるように一緒に頑張っていきましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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