【保存版】病院給食サイクルメニュー導入のメリットと作成の全体像(総論)

献立作成

(サイクルメニュー連載 第1回/全5回)

「毎日献立作成に追われて、病棟に行く時間がない…」 「献立の質がバラバラで、調理現場との連携がうまくいかない…」

そんな悩みを抱える管理栄養士にとって、最強の解決策となるのが**「サイクルメニュー」**です。 一度作ってしまえば、業務効率は劇的に上がり、食事の質も安定します。しかし、その「一度作る」作業がとてつもなく大変なのも事実。

本記事では、サイクルメニューを導入するメリットから、失敗しないための作成ステップの全体像まで、病院栄養士の視点で徹底解説します。全5回シリーズで詳細までお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。


1. サイクルメニューは「手抜き」ではなく「戦略」である

「同じメニューを繰り返すなんて、手抜きに思われないかな?」と不安に思う必要はありません。サイクルメニューを導入することで、以下のような**「質の高い給食管理」**が可能になります。

  • 安心・安全の担保: 同じ料理を繰り返すことで調理工程が習熟し、失敗のリスクが激減します。
  • 調理精度の向上: 「前回の反省」を次に活かせるため、味のブラッシュアップが容易です。
  • 経営の効率化: 在庫管理が定型化され、フードロスの削減とコスト最小化に繋がります。
  • 栄養士の職能シフト: 事務作業を減らし、より専門的な病棟栄養管理業務に時間を割けるようになります。

2. サイクルスパンの検討:在院日数に合わせる

まずは自分の病院の「平均在院日数」を確認しましょう。

  • 4週間サイクル: 一般的な急性期病院(在院日数10日前後)に最適。
  • 12週間(3ヶ月)サイクル: リハビリ・療養病棟など、長期入院が多い施設向け。

患者さんが入院中に「またこれか」と思わない最低限のスパンを設定しつつ、管理のしやすさとのバランスを取るのがコツです。

Advice サイクルスパンが長すぎると、調理リスクや必要レシピ数が増え、妥協した「2軍献立」が入り込みやすくなります。スパン設定には「うまいバランス」が不可欠です。

💡読者からの疑問:1年サイクルじゃなくていいの?季節感出ませんよね?

管理者
管理者

「大丈夫です。まずは1~3ヶ月程度で基本サイクルを作って、それを複写して季節感を調整する作業を春夏秋冬繰り返せば、来年には立派な『季節感のある年間メニュー』として再利用できますよ。」

ポイント: 平均在院日数がベースとなりますが、一方で長期間入院される方もいます。その方たちが経管栄養なのか、どんな食種を食べる方なのかを把握した上で、最終的なサイクルスパンを決定しましょう。


3. 失敗しない!サイクルメニュー作成の5ステップ

サイクルメニュー作成には正しい「順序」があります。各ステップの詳細は、続く各論記事で深掘りしていきます。

  • ステップ1:栄養目標量とパターンの確定 常食(一般食)の目標栄養量を固めます。詳細は[給与栄養量の算出]をご参照ください。
  • ステップ2:最強の「料理リスト」作り(第2回) いきなりソフトに向かわず「手札」を整理します。1,000レシピを目指すリスト術を解説。
  • ステップ3:パターンの構築と「つなぎ目」チェック(第3回) 「2枚並べてチェック」する執念のテクニックをご紹介します。
  • ステップ4:行事食・旬の管理術(第4回) 「行事食はサイクルに混ぜるな!」という鉄則。差し替え運用と旬の資産化を解説。
  • ステップ5:システム入力と地獄の微調整(第5回) 食材重複の回避、構成の帳尻合わせ。現場の動線を意識した最終調整の極意。

4. サイクルメニューを「一生の資産」にするために

サイクルメニューを作るのは、確かにとてつもなく大変な作業です。しかし、一度完成したサイクルは、毎年少しずつ手直しを加えることで、あなたにとっても病院にとっても**「一生の資産」**になります。

「いつかやらなきゃ」と思っているなら、今がそのタイミングかもしれません。患者さんの喜ぶ顔を想像しながら、一歩ずつ進めていきましょう。

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