「いざ献立を作ろう!」と思っても、どれくらいの品数を、どんな組み合わせで出せばいいのか悩みますよね。
病院や施設の給食運営において、スムーズな作業とミスのない配膳を実現するためには、**「献立の大枠(組み合わせパターン)」**というマニュアルを事前に作っておくことが重要です。今回は、現場が混乱しないための献立ルールの作り方を解説します。
1. 献立の大枠(組み合わせ)を決める重要性
献立の大枠とは、例えば「朝食は主食+汁物+小鉢2つ」といった、毎食の基本的なテンプレートのことです。このルールが明確でないと、以下のような現場トラブルが発生します。
- 厨房の混乱: 日によって品数がバラバラだと、作業工程の管理が難しくなる。
- 配膳ミス: 盛り付けチェックの際、品数の過不足に気づきにくくなる。
- 温冷配膳車の制約: 暖かい料理を4品出そうとしたら、配膳車の温蔵スペースに入りきらない……といった物理的なトラブルが起きる。
まずは自施設の食器とお盆を使い、**「物理的に何品乗るのか」「配膳車のスペースに収まるのか」**を事前にシミュレーションしておきましょう。

2. 施設の状況に合わせたパターン化の例
施設の人員や伝統に合わせて、以下のようなパターンを基本形として設定します。
- 朝食(和): 主食 + 味噌汁 + 温小鉢 + 冷小鉢 + 飲み物
- 朝食(洋): パン + スープ + 温小鉢 + デザート + 飲み物
- 昼・夕食: 主食 + 大皿(主菜) + 汁物(または温小鉢) + 冷小鉢(+ デザート)
- 麺類の日: 麺類 + 温小鉢 + 冷小鉢 (+ デザート)
【実務のポイント】
主食量や朝の飲み物などは、日によって変えるのではなく**「マニュアルとして固定」**しておきましょう。ルール化することで、後輩指導や調理員さんへの伝達が劇的にスムーズになります。
3. 料理ごとの「食材目安量」の設定(食品構成との連動)
「なんとなく」で盛り付けると、栄養価がブレてしまいます。事前に料理のボリューム感を決めておくことが重要です。
| 料理区分 | 内容 | 仕上がり重量の目安 |
| 主食 | ごはん、パン、麺 | 食品構成の指示通り |
| 主菜(肉・魚) | 焼き魚、肉野菜炒め等 | 主材60〜80g + 付合せ30〜50g |
| 主菜(煮物等) | 筑前煮、八宝菜など | 150〜180g |
| 汁物 | 味噌汁、スープ | 汁100〜150cc + 具30〜50g |
| 温小鉢 | 煮浸し、卵料理など | 60〜80g |
| 冷小鉢 | 和え物、サラダなど | 40〜60g |
| 果物 | 旬のフルーツ | 0.5単位分(約40〜80g) |
4. 最も大切な「食品構成」とのリンク
ここで最も重要なポイントをお伝えします。
**「料理の目安量は、必ず『食品構成』で算出した数値と一致していること」**です。
- NGな例: 「患者さんが残すから」という理由だけで、現場判断で目安量を減らしてしまう。
- OKな例: 残食が多い場合は、まず「食品構成(目標値)」そのものを見直し、その上で目安量を再設定する。
食品構成は、いわば給食運営の「憲法」です。目安量はその憲法を実行するための「法律」です。この2つがズレていると、栄養管理の根拠が崩れてしまいます。
あわせて読みたい:
目安量の根拠となる「食品構成」の具体的な作成方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
最後に
献立の大枠(組み合わせ)は、病院や施設ごとに異なりますが、**「食事に関わる全員が共有できる基準」**であるべきです。
一度決めたルールも、残食量や対象者の栄養状態を参考に、定期的に見直しましょう。「残食が多いから料理を減らす」のではなく、「食品構成から見直す」という視点を持つことが、プロの管理栄養士への第一歩です。
いかがでしたでしょうか。献立作成をスムーズに進めるための「型」を、ぜひ自施設でも作ってみてくださいね!
下記記事もぜひご覧ください。



