食品構成を作成する際に必要な「食品群別荷重平均成分表」
病院や施設では欠かせない資料の一つです。
実際の現場では給食システムなどで簡単に作成できますので、手計算やエクセルで作ることは少ないと思いますが、意味を理解するためには作成方法を理解することが重要です。
では行きましょう。
食品群別荷重平均成分表とは
食品群別荷重平均成分表とは、食品群ごとに100gあたりの平均栄養量をまとめたものです。
同じ食品群であっても、施設や地域などで使用する食材が異なりますので、各施設ごとに作成をする必要があります。
そして、これを参考に食品構成などを立てることとなります。
また、一般的な食品群別荷重平均成分表とは異なりますが、「糖尿病治療のための食品交換表」の中にも下記のような食品群別荷重平均成分表があります。この場合には食品群が表1~調味料までの7群になっています。右側のように食品構成を立てる場合に必要な資料となります。
食品群別荷重平均成分表の作成手順
食品群別荷重平均成分表は、ある期間の使用実績(給食材料消費日計表)から使用比率を算出し、比率に100g当たりの食品成分値を乗じて合計し、作成します。
ある期間の使用実績を集計する
給食システムにて、すべての食品の使用実績を集計します。(実際にはこのようなことをしなくても給食システム内に食品群別荷重平均成分表を簡単に作る機能が備えられていると思います。)
食品構成に役立てるものですので、頻繁に変更するものではありません。ですので、1年間を目安に集計するとよいでしょう。中途半端に3~6か月などにすると季節の偏りが出てしまいます。
食品群ごとに分類する
食材を食品群ごとに分類します。
適切に分類をすると、各食品群中の食品は性質の似ているものが集まるはずです。
しかしながら、納豆や豆腐など主に水分を多く含む食材で構成される「大豆・大豆製品類」では乾燥大豆やきなこ、乾燥ヒジキなど主に乾燥食品で構成される「海藻類」では生わかめなど、乾燥と生が入り混じることがあります。この場合には大きく栄養量が異なりますので、取り扱いには注意が必要です。(※下記参照)
※性質の異なる食材は、当該食品群における占有率を考慮して対応する
- 占有率が小さい場合:献立作成の際に、食品構成よりも、前者であれば少なめに、後者であれば多めに使用する
- 占有率が大きい場合:食品群を分けることを検討する
食品群ごとに、各食品の使用比率を算出する・%をgに換算し、各栄養素量を算出し、合計する
青色の部分が各食品群中の使用比率、赤色の部分が荷重平均成分値です。
一覧としてまとめる(食品群別荷重平均成分表の完成)
下記食品群ごとに、荷重平均成分値を算出し、表にまとめると下記のような表が完成します。ご施設に給食システムがある場合がほどんどだと思いますので、ご使用のシステムから出力してみてください。
最後に
一部の栄養士会などでは、参考として、当該地域の食品群別荷重平均成分表が示されていることもあるようですが、基本的には、各地域・各施設ごとに作成するものです。
約束食事箋内の食品構成作成時になくてはならない資料の1つですので、定期的に見直しを行いましょう。
食品群別荷重平均成分表について理解を深めるために、本ブログが少しでもお役に立てば幸いです。
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本内容は、当ブログ管理者の私見に基づく内容ですので、いかなる場合にも責任は負いません。一参考としてご活用ください。